資格を取る意義について
「資格ブーム」と耳にするようになったのは、平成の大不況が始まったのとほぼ同時期と言われています。
厳しい就職状況が続く中では、他の人よりも少しでも付加価値がある人材であることをアピールするため、客観的な判断基準となる資格の取得をしていくことが勧められていったからです。
更に現在何らかの仕事に就いている人にとっても、企業内での評価基準が、成果主義になってきている所も多くなっています。そこで、評価向上や資格手当を受けるために資格勉強を仕事の合間に行う人も増えてきました。
資格の勉強はどのような種類であるかに限らず自己の能力を高めるために役立つものです。
しかし、残念ながら難しい資格に合格さえしてしまえば、それで仕事や出世・昇進をすぐにできるかというとそういうわけでもありません。
国家資格とは国が実施主体となる資格のことで、合格をすると国家機関から合格証書などが送られます。
この合格証書を所有することで、一般には一律に禁止されているような行為を行うことができるようになります。具体的には医師や弁護士、他にも電気や工事の技術者などです。
公的資格の場合、国家資格と民間資格の間として位置づけられています。主催しているのは主に公益法人などで、資格としてのステータスは高いことが多いのが特長です。しかし、国家資格のように排他的業務を行うことができるものはありません。具体的には、英語検定、販売士、簿記検定、秘書検定などです。
民間資格とは、民間団体が自由に審査基準を設けて任意に権限を付与できるようにした資格のことです。技術の判断基準とされる有名資格もいくつかありますが、ほとんどが業界独自の審査基準によるので特に就職に有利となることがない場合もあります。具体的には、TOEIC、トリマー検定、防災士、ソムリエなどです。
どの資格が一番就職に有利かといえば、やはり権威のある国家資格が一番でしょう。
宅地建物取引主任者や薬剤師などは、店舗の営業形態にもよりますが、基本的に5人に1人以上資格取得者が専任で常駐していなければいけないという決まりがあります。
そのため、仕事内容にかかわらず人員をそろえるために就職できるというおいしいケースがあります。
ですが、たとえ医師や弁護士のような難関資格を通ったとしても、必ず高額収入を得られる仕事につけるとは限りません。
資格そのものが賃金の上下に関わるということはあまりないようです。