経営活動の中で必要不可欠
簿記とは一体何かといわれたときに、正確に答えられる人は意外と少ないものです。
身近な資格として、高校生が受験することも多い資格ですが、知名度よりは理解されていないといっていいでしょう。
簿記を正確に答えるのであれば、日々の経営活動の記録と計算整理を行うことで、経営状況や財産の状態を明らかにすることができる技能であるといえます。これだけではわかりにくい表現ですが、商売を行った記録を付ながら、どんな経営状況なのか、財産はどうなっているのかを明らかにする能力であるといえるのです。つまり、企業にとっての健康を判断するために重要な能力で、どんな状況にあるのか整理することができる能力といえます。
経営状況の判断や、財産を考える財政状態の把握ができるようになりますので、経営者にとっては必須の能力であることは間違いありません。経理担当者にとっても重要な能力にもなるのですが、状況判断という面ではすべての社会人に必須能力であるということもできます。社会で企業に勤めるということは、経営活動にかかわるということになりますので、知識としても技能としてもマイナスになるようなことはないのです。
簿記の資格ということでは、もう一つ、受験資格になるということも忘れてはいけません。色々な資格と親和性が高いことも知られていますが、公認会計士や税理士の受験資格にもなるのです。これらの事務所においては、働くうえで簿記資格の取得が必須、または優遇となっているケースも多く、キャリアアップするうえでも簿記資格が必要だということが解ります。
級によって大きく変わる難易度
難易度として考えた場合、日商簿記を例にとって考えると、各級でかなりの差があるといえるでしょう。
4級は社会経験のない高校生でも受験することができます。ですが、現在の簿記のシステムから考えて、時代遅れの位置にもあることは忘れてはいけません。
3級が実際のスタートであり、誰でも受験することができるレベルであるといえます。簿記の基礎知識を身につけるためにも、複式簿記で進めていく3級が重要な位置を占めるのです。全くの初心者の場合には、まずは3級がターゲットになります。
2級となると、状況が一変します。それは、商業簿記と工業簿記という2分野に代わるからというだけではありません。この2つは、言い方を変えれば、財務会計と管理会計であるといえます。
外部にもオープンにされる可能性がある財務会計は、情報提供や利害調整として意味を持ちますが、管理会計は機密情報として扱われるものです。この2つの分野が試験範囲となってくるため、かなり高度な知識を身につけなければいけません。内容を知らずに試験対策というだけであれば、高校生でも合格することはできますが、社会人として利用を考えた場合には、重要な知識となってくるでしょう。
さらに1級となると、非常高い知識が求められます。公認会計士や税理士の受験資格にも利用できることから想像することができるように、知識ゼロから始めるには、高いハードルが待っているのです。企業の管理職に求められる能力でもありますので、ステップアップを考える場合にも有効でしょう。
簿記は、誰でも受験することができる資格で、就職や転職にも利用することができます。チャレンジしやすい資格ですので、ステップアップを考えるのであれば、真っ先にターゲットになっているのです。